信じた道を進めばいい心構え

信じた道を進めばいい

信じた道を進めばいい

伊澤さん、この間望ちゃんが僕の計画を聞いて【もっと女性にアプローチするような内容にしたらどうでしょう】というのです。
なるほどなあと思って。僕はどちらかというと男性受けがいいので男性向けのつもりで開業しようかと思っていたんですが、やっぱり女性って大事ですよね?

んー。いやまあそれは池照君がどう思うかなんじゃないかな。望ちゃんがなんと言おうとこだわる部分であればこだわればいいと思うよ。

そうですねえ。ちょっとふらついちゃうんですよね。そういう風に言われると。でも頑固じゃいけないなあ、とも思いますし。

でもさ、頑固もいいと思うよ。

頑固もいいですか。なんか職人のおやじさんっぽくって現代には合わないのかなと思いますけども。

祖母がいてね。もう97歳の時に亡くなってしまったけどさ。
それまで病気ひとつしない元気な人でね、いつも和装で、だらけたところを見せず、体の動く頃はお茶を教えて、書を習い、凛とした、そして笑顔を絶やさない人でね。
母が働いている間、僕ら兄妹の面倒をずっと見てくれていた。

ええ・・・なんの話でしょう?

あ、ははは、唐突だったね。いやね、そのおばあちゃんがさ、言った言葉でよく覚えていることがあるんだよ。

いったいどんな言葉だったんですか?

うん。どうやら僕は頑固なところがあるらしくてね、開業してしばらくした頃、家族で揃ってご飯を食べているときに両親に【お前は頑固だなあ】と言われたんだ。【そんなに頑固じゃいけないよ】ってニュアンスでね。

はい。

そこでおばあちゃんはこう言ってくれたのさ。【男の人はね、頑固なくらいがいいんだよ】ってね。仕事に対してこだわりがあっていいことだ。ということだったと思うんだ。

頑固を肯定してくれたんですね。

まあ今の時代は男性も女性も家でも家以外でも仕事をしてますから【男の人はね】というのは少し時代から外れているかとは思うけど、そこはまあ昔の人だからさ。

でもあれですね。頑固をこだわりとしてくれたわけですね。

そういうこと。だからさ、ちょっと思い出したわけ。池照君が迷っているなら自分を信じていけばいいさ、とね。
よくあるのだけど、周りの人達が善意でいろいろ言ってくれるわけ。ああした方がいい、こうした方がいいって。
でもね。ありがたい言葉として受け取りはするけど、受け止めておくだけでいいと思う。
なにせ自分の仕事のことは自分が一番分かっているんだから。フラフラしないで信念を持っていこうね。
ま、最初はそんなに強い信念がなくてもいい、徐々にでもね。

ちょっと勇気が出ますね。でも伊澤さんあれですよね。普段あんまりこだわりないですよね。

あはははは。(*^^)v いやあ、仕事以外はできるだけ【こだわらない】ほうがいい、と思っているんだよ。私生活はこだわりなく生きていきたいなと。

それが【らしい】ですね~

ポイント

頑固とこだわり

もちろん頑固とこだわりには違う意味があると思うのです。頑固だと過剰に自分にしがみつく、みたいなイメージかと思いますが、今回はちょっと並べて同じようにお話ししました。
おばあちゃんのエピソードはよく覚えていて思い出す度に涙腺が緩みます。嬉しかったのだと思います。
今も大事な人です。

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