断るときこそ丁寧に接客に関して
断るときこそ丁寧に
あ、望ちゃん、今のはよくなかったね。わかる?
え?私、また何かやらかしました?
いや、やらかしてまではいないけどさ、もうちょっとだね。
うーん、ちょっとどころではないような気がしますけど…
うん。今さ、ご予約の電話があったろ?もう夜までいっぱいだから当然断ったよね。そこだよ。
あれ、うーんと、他の時間帯もご提案したし、他の店舗の空き状況も確認した。他のコースも提案した、で、全部駄目でした。
うんうん、それで?
で、【あー、駄目ですね。それではお取りできません】とお断りしたんですが、他にも確認すべきことでもあったでしょうか?
いや、いいんだよ。確認はそれでいい。でもね、お断りするときのセリフと声のトーンがよろしくない。というか非常に悪い。ちょっと再現してみて。
はい。【ああ、そうですかぁ、ではちょっと無理ですねっ。ええ、はい、それだとお取りできないんですよ。はい、はい、はい、どうもすみませ~ん。】という感じだったでしょうか。いけませんか?
まあいけないね。それじゃあいけない。うん。いいかい。君は全然【申し訳ない】って思ってない。例え思っていたとしても全然伝わってない。
うーん、まあ確かに【いっぱいなんでしょうがない】とは思ったりしてますが、そこでしょうか。
そうなのだよ。【こちらにもっとスタッフがいれば】【もっとベッドがあれば】【もっとうまく予約を重ならないように取っていれば】その方の予約を入れられたかもしれない。
確かに前提を作ったのもこちらですしね。
うん。せっかく【よし行こう】と決断して連絡してきてくださったのにお取りできないわけだ。それは【申し訳ございません】という気持ちにならないのがおかしい。
ぐぅ。
君は【いっぱいなんで、取れないんですよ。しょうがないでしょ】っていうオーラを出してる。これは、そう思っていたら絶対に出るから。
う、うう、あ、はい、思ってますね。お断りするときは。こちらが悪いとは思ってなかったと思います。(T_T)
君は素直なところが救いだよ。でさ、今度望ちゃんがね、初月給をもらったとして両親に食事をプレゼントしようと考えたとするじゃない。
た、たとえ話ですよね?
そうそう。で君としてはできればできるだけ素敵でおいしくて安くてという無理難題をクリアしちゃいそうなレストランをネットで調べたりして見つけて自分の株を上げたかったりするわけさ。
そうでしょう、そうでしょう。
で、見つけるわけだ。クチコミもいい。なにせコストパフォーマンスも高い。初月給でも十分いける。みたいな。で、【ここだ!】と思って電話をかけるのさ、想像できた?
できましたできました。
そしたら【え、あー、12日の金曜ですか、いやもういっぱいなんですよね。ええ、ええ、ちょっと取れないですねー。ええ、どうもはいー。】と言われちゃう。これ、どう?。
うーん。【え~っ!】って思いますね。というか【もういいよ】くらい思っちゃうかも。というかもう行こうとしないかもしれません。
根に持つからね。
え?
いや、冗談冗談。でもね、それがさ
【いやー、12日の金曜日ですか~。すみませーん。実はもうご予約で埋まってしまいまして、ええ。いや、どうもごめんなさいお取りできなくて。ええ、はい、ぜひ次回またよろしくお願いいたします。申し訳ございませんでした。】
という感じだったらどうだい?とっても【すみません】なトーンでね。
あー、そういう感じだったら
【いやいやいやいや、いいんです。私ももっと早くお電話すればよかったと思います。人気なんですね。ええ、ぜひ次回はもう少し前に予定を立てて伺いたいと思います。はい。そのときはぜひこちらこそよろしくお願いいたします。】
と言っているかもしれません。
ね、実質的には同じことを言っていたとしても、伝わり方が全然違うわけさ。
言い方とかトーンですね。
そう。だからね、特に断るときは気をつけて。【断る】ってことはどちらかというとこちらが少し強い立場な気がしちゃうものだけど、本当はそうじゃないんだよ。こちらは【取れなくてすみません】という立場なんだ。そう思っておいてね。
わかりました。今あまりタイプじゃない男性に告白されたところなんですが、【あなたとなんて付き合えない。全然そんな気になれないし、もう。友達だし】って答えるところでした。危なかったです。
うわー。( ゚Д゚)
だから【どうもありがとう。気持ちはとっても嬉しい。今はその気持ちには応えられないけど、できたら長く付き合える素敵な関係でいたいと思っているね。それでは駄目?】と言うことにします。同じことかもしれないですが、言い方ですね。これも。
うん。よかった。そうしてくれると今年の自殺者が1人減るよ。
ポイント
驕れるものは久しからず
これは文字で書くと伝わりにくい内容でしたが、ニュアンスは伝わりましたでしょうか。
予約がいっぱいで断るというのはちょっと上から目線になりがちです。
「いっぱいなもんですんませんねー」という気持ちですね。
沢山売れているのだからその気持ちはわからないでもないです
しかし、驕れるものは久しからず、ですのでいつも謙虚にありたいものです。