せめて悪びれる接客に関して

せめて悪びれる

せめて悪びれる

「いや、だってしょうがないじゃないですか」って思うこと、あると思います。
でも、我々プロはそんな感情を表に出してはいけないと思っています。
【すみませんっっ!】って言いましょう。

実は先日、5年以上うちで働いてくれてから退職したスタッフのお家に遊びに行きました。
そして近くのインテリアショップにも一緒に行ったのです。

そのインテリアショップの、ある一角が改装されていました。
そしてその一角にあったであろう物が欲しかった私の妻が近くにいる従業員の方に聞きました。

妻「すみません、ここって…」
従業員「ああ、改装中ですね」(言わせず遮り)
妻「じゃあ、あれは買えないんでしょうか?」
従業員「あ、買えないですねー」
妻「…」

すごく嫌な感じだったそうです。
ちょっと文字だとニュアンスは伝わりにくいかと思いますが、嫌な感じを思い浮かべてください。(^-^;

これ、その従業員の方は悪気はないんでしょうね。(^_^;)
でもやっぱりだからといってこれは良くないですね。

もしかしたら、本人の前で「そんなんじゃ駄目だよ」って言ったとしても、「え?だって改装中ですし、買えませんし、しょうがないじゃないですか」
と思うのかもしれません。(^_^;)

けど、「だってしょうがないじゃないですか」っていう場合でもやっぱりそう伝わったら駄目だと思うのです。
例えば予約の申し込みを断るときも「いやー、すみません、今一杯なんですー」と言う。
「あー、一杯なんですよね」は駄目です。

「クレジットカード使えますか?」と聞かれて使えない場合でも
「ああ、使えないんですよ」と言っちゃ駄目です。
「あー、ごめんなさいー。うち扱ってないんですよー。すみません」と言いましょう。

もう当たり前過ぎて書いていてアホらしくなってきましたが、、、(^_^;)

もうひとつ。
昔「ホテル」という漫画がありました。
細かくは覚えてないのですが、ある回のお話し。
財布を無くされたお客様がホテルのフロントに怒鳴り込んできます。
このホテルのフロントあたりで無くしたに違いない。なんで無いんだ!?と怒るのです。
主人公たちはどうやってもフロントあたりで財布を探し出せません。

そこで、お客さんと一旦別れます。
そしてお客さんの今日一日の行動を調べ、東京タワーあたりでついに財布を発見します。

その頃お客さんも東京タワーのトイレに財布を忘れてきたことを思い出すのです。
しかし、今更そんなことは言えず、またホテルのフロントで「まだ見つからないのか!」と怒鳴ります。

東京タワーで財布を見つけてきた主人公たちホテルマンは…

どうしたと思います?
「お客さん、東京タワーの忘れ物センターにありましたよ?やはり我々に責任はないですよ」と責めると思いますか?

当然そんなことしないわけです。
後ろめたく感じつつも体面を保つために怒鳴るお客様に主人公はこう言います。

「田中さま、大変申し訳ございませんでした。財布はフロントの裏のほうから出てきました。大変申し訳ございませんでした。<(_ _)>」

そうなんです。実際誰が間違っていて、誰が正しかったか、なんてどうでもいいんです。
そこで鬼の首を取ったような対応をしたら、結局はお客さんは去ってしまうのです。

もう一度言いますが、誰が正しいか、なんてどうでもいいんです。

さらにもうひとつ。
私のサロンのなごみでは、飛込みでいらして頂いたときに満席だったらお詫びに入浴剤を差し上げてせめてお風呂につかってください。
とお伝えします。
「え、満員なんだからしょうがないじゃん」という対応がないようにいつもスタッフの言動には気を付けています。

こちらに非が無くてもお客様に気持ち良く感じてもらえるような接客をしてください。

ポイント

そんなに自分を守らなくてもいい

人は自分を守りたくて「私は悪くない!」というサインを出したくてたまらない気持ちになるものです。
自分が悪かったら責められるので当たり前の心理です。

が、私たちは接客のプロです。
そんな本能は少し脇に置いて、「手前どもの不備で」としたらいいのです。
もちろん通さなければいけないスジはあります。
ありますが、それより大事なことも時と場合によってあるのです。

そこの加減がわかる人が「できる人」なのではないかと思います。

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