問診票では何を聞くかマネジメント
問診票では何を聞くか
伊澤さん前回の続きですけど、メールアドレスはどうしてみんな教えてくれるのかっていう疑問なんですけど。
うんうん、問診票っていうのも結構多くのお店がありものを使ったりしていて、僕としてはもう少し考えてみたらいいんじゃないかと思うんだ。
あれですね、既存概念は捨てて考えようってことですね。
おお、飲み込めてきてるねー。
まあいつも伊澤節を聞いてますから。
ははは、まあそうそう、そういうわけでね、すでにあるものを取りあえず使うんじゃなくて、自分の聞きたいこと、知りたいことを聞くといいと思うんだよ。ちなみに僕は問診票の内容を年に何回か変えているんだ。
おお、そんなに?
うん、聞きたいことが変わってくるのと、先に伝えたいことが出てきたりするからね。
あれもアイディアの詰まったものなんですねえ。
うん、まあそう言ってもらえると嬉しいが、、、でもね、池照君も池照君なりに聞きたいことを考えておいたらいいよ。
あは。がんばります。で、実際今はどんな項目があるのかを教えてくれませんか。
いいよ。うちの場合はねえ
○お名前(ふりがな) ○生年月日 ○性別 ○電話番号(できるだけ携帯)
○職種(仕事内容) ○PCアドレス ○携帯アドレス ○住所
○媒体 ○主訴 ○施術を受ける頻度 ○スポーツや趣味
○気をつけること(病気や怪我なども含め) ○施術中にどうしていたいか
○今まで施術を受けて嫌だったこと
なんかを聞いているね 。
それから先に伝えていることもありますよね。
そうそう、携帯電話の取り扱いや、プライバシーポリシーとかだよね。
ええ、ええ、ちなみに面白い項目もありますよね。独特というか。
うん。そう、結構面白いと思っているよ。ははは。でもまあ全部ちょちょいと解説していこうか。
お願いします!
まず、【お名前】はね、ちゃんとふりがなもふってもらおうね、読めない場合も結構ある。殴り書きっぽくなっていたらきちんとした文字を伺っておくといいね、あとでタイプするときに困るからさ。
伊澤さんのような字の人、沢山いますもんね。
もう!字がきたないイジメはやめてくれよー。で、次は生年月日ね。
はい。
お誕生日に特別なことをしてあげたい、と思うのが人情だったりするから、聞いておけるといいね。
まあ女性の場合は年は勘弁してあげたいところだけど、できたら施術にも関わるところだからある程度正確に聞いておきたいね。
見た目と実年齢にギャップがあって、ある程度の年齢でないとなりにくい症状などを想定するときに必要だからさ。
はい。確かにそうですね。
【性別】はね、実はそんなに重要じゃないし、なくてもいいかもしれない、と最近は思っている。自分の性別を言いたくない人も結構いるしね。ただしこれもある程度施術の方向を判断していく上で必要な場合も多いので残している項目だね。
なるほど。
次いで電話番号はね、できたら携帯電話を聞こう。今はもうほとんどの人が持っているしね。いらっしゃるのが遅れている場合にこちらからアクションできるし、忘れ物をされたときにすぐに連絡して取りに帰ってもらうこともできるからね。
いやあ、さすがは携帯電話、たいがい携帯してますもんね。
そうね。次は職種(仕事内容)だよね。これって例えば【会社員】とか【自営業】とか【公務員】とかそういうことが聞きたいわけじゃないじゃない、聞きたいのは日常の仕事でどんな動きをしたりするのか、だから【職業】じゃなくて【職種】なわけ。
だから職種なんですね。
でも、それって見間違えたり、同じように使われたりするから、カッコで【仕事内容】とか書いているね。
さらに【「販売員」等の職種で。普段の姿勢、行動を知りたいです。】と書いているね。
確かに【会社員】であることがわかってもあまり意味無いですよね。
そうそう。さて【PCアドレス】、【携帯アドレス】だね。これはもう言うまでもないけど、無料でお客様に連絡が取れるマジカルツールだ。
マジカルツール…(^^;)
いや、ほんとに。葉書や封書は最低でも50-80円かかるわけだからね。当然そうやって出したほうがいい場合もあるし、僕らもやるわけだけど、そうそう頻繁にはできないから。
確かにたくさんの方に送るのは大変ですね。
でもメールなら今日、今、暇だから割引しますよ。とかいうこともできちゃう。他にもいろいろ便利なことはあるけど、それはまた以降の章に回そう。ここではどうやって書いてもらうのか、が重要かな。
お、とうとう前回の答えですね。
うん、まあ答えって言っても当たり前のことだけなんだけどさ、いくつかあるね。まずは
・なんでアドレスを教えてもらうのか、を説明する
・教えてしまっても管理をしっかりしている、解除がいつでもできることを説明しておく
・教えてもらうといいことがある、ということを説明しておく
先に言うべきことを言っておくと。
そうそう。ただ【アドレスを教えてくれ】だと何に使われるのかわからない、だから不安になる。
教えたはいいけどスパムメールなど来ないかな、解除できないようなことはないかな、という不安も取り除いてあげる。
あとは書いていただけたらプレゼントを差し上げる、というのもいいかもしれない。僕は入浴剤を差し上げてるね。
それにしても不安を取り除いて、ちょっと心づけをするだけで違うものですねー、それで7割以上の方がアドレスを書いてくださるなんて。
僕の友人が開業してアドレスを聞いたら最初にいらした8人の内、アドレスを書いてくださったのは元同僚の1人だけだったそうですよ。
そうね、書いたことによってメリットがある、ということをわかってもらえなかったら普通書かないよね、面倒だしさ。
ですねー。
あとはさ【ちゃんとしているところだな】と思ってもらうのも大事だよね。これは全体に広がる空気感をより高くすることで作られると思うな。
ちゃんとしているので安心して書いてくれるということですね。
そうそう。【住所】もできるだけ聞いておきたいね。コストと手間はかなりかかるけどメールでなくハガキで何かしらお送りするとインパクトも大きいね。手書きでお礼のハガキなどを書くのも手だし、何かお忘れ物などをお送りするとか、特別なものをお送りするのにも必要だね。
あ、伊澤さんも送ることあるんですね。
もちろんあるよ。ぜもカルテに住所のある万単位の人に送るようなことはないけどさ、だって1万件だとはがき代だけだって50万円だ。半端ないよね。だからきちんと誰に送るといいのか考えてやらないとね。
確かに50万円とか厳しいですね。
例えば【今まで10回はいらしてくれているけど、ここ1年間いらしてない人】だけに送る、とかね。
【来院の回数が一番多いほうから数えて100人まで】とか、【ここ1年の中で1回いらしただけで、2回目を来ていない】というような方を検索して送るとかが効率がいいと思うね。
こういうことのためにもお客さんのデータはパソコンの中にデジタルデータで取っておきたいよね。
おお、なんか難しそうですね。
うん、ちょっと難しい。知りたくなったときに聞いてちょうだい。
わかりました。
次は【媒体】だね。つまりどうやってこのお店を知ったのか、ということだけど、これは超重要だから確実に聞こう。書いてくれなくても口頭で聞こう。
例えばアドレスが書いてないような場合、無理して聞くのはちょっと難しいと思うけど、【何で知ったんですか】って聞いたら大抵教えてくれる。
できるだけ100%に近い精度で聞いておかないとね。
それは当然広告の効果測定ってことですよね。
そうそう、その通り。こっちの広告に5万円かけて、40人来院があった、とかチラシをポスティングしたら5人来院があったとかね、通りがかりで来院してくれるのは毎月15人くらいだ、とかさ、わかっておかないと目をつぶって鉄砲を撃つようなものだよね。
鉄砲撃つにもコストやら労力やらがかかるから、むやみに打たずにきちんと効果を測定しつつ、最良の結果が出るように狙いすましてやらなくてはいけないね。
無駄なお金は使えないですよね、確かに。僕は。
誰だってそうさ。だからこればっかりはきちっと毎月単位でいいからエクセルで表を作るなりしていつも把握できるようにしておこう。
でもあれですね、同じチラシをポスティングしたのと新聞折込したのとだとどっちがどっちなのかわからないですね。
だからそこは聞くか、もしくはチラシの裏とか隅に蛍光ペンなんかで印をつけておけばいいさ、重ねて置いて、少しずつずらして【だーっ】っと1本線を引けばいいんだから。そして「ちらしをお持ちください」って書いておけば効果測定できるね。
あ、そかそか、それはなるほどなるほど、ふむふむ。
続いて【主訴】ね、これは、まあそれを聞かないでなんの施術をするんだろうってことだからあえて言うこともないかな。
部位で聞いたり、症状の種類で聞いたりする場合があるだろうね。体の絵を描いておいて丸を付けてもらう方法もあるよね。
そうですね、聞かないわけがないですねえ。
【施術を受ける頻度】なんかも聞いているんだ。今までどういう施術をどんな程度して、今の状態なのかを知りたいし、全く初めてだったら刺激量などよくよく考えないといけないだろうし、その辺の判断には必要だと思っているね。聞き方としては、
□月_回
□週_回
□初めて
などとしているよ。
そうですね、いろいろ判断の材料になりますね。
うん。次は【スポーツや趣味】だね、つまるところ聞きたいことは普段の生活で症状につながりがありそうなことはないか、ということだね。【職種】と同じような意味合いだね。
はいはい、どんなスポーツがどんな動きをするのか、などある程度わかっておかないといけないかもしれませんね。
そうだね、ここでは施術の中身に関しては触れていかないけど、そういったことの勉強も怠れないね。
スポーツでの急性の症状だったらあるいは整形外科や接骨院など急性の症状の専門のところをお勧めするほうがいいこともある、ということを念頭に入れておいたほうがいいね。
なんでもかんでも自分でやるより、その方にとってベストな道を考えてあげられるほうがいい。
そうですね、脱臼とか捻挫なんかだとどうにもできませんものね。
そうそう。じゃあ次は【気をつけること(病気や怪我なども含め)】だね。これは既往歴や家族歴、現在怪我をしていて触って欲しくないなど聞いているんだね。
わかります。はい。
他にも【弱めでお願いします】などということも書いてくださったりするので、そういう意味でも聞いておくと施術前の情報としては非常に役に立つ。
わかります。【気をつけること】という聞き方もいいかもしれません。わかりやすくて。
かもしれないね。さ、次は【施術中にどうしていたいか】だね、これ、結構評判がいい。しかしこんなことをあらかじめ聞いているサロンはちょっと聞いたことがないね。
え、なんですか?
うへへ、前に話したじゃないか。
ああ!【寝ちゃいたい人】か【お話したい人】かどうかを知っておこうって作戦ですか?
そうそう。しゃべりかけられたくない人も多いし、いろいろとお話したい人もいる。これを聞くことである程度の目安にはなるもんね。
ですねー、伊澤さんおしゃべりだからなあ、放っておくといっぱいしゃべっちゃいそうですね。
いや、本当にそうでねえ、ははは。何度かアンケートに【寝てしまいたいのに沢山しゃべりかけられた】ってご意見いただいてねえ。ははははは。それからだねこの項目を追加したのは。
そうだったんですね。
じゃあ最後は【今まで施術を受けて嫌だったこと】だね、これも聞いているところはあんまりないんじゃないかなあ。
つまり他のサロンさんがやっちゃったポカの二の舞にならないように最初にそんなことがあったら教えておいてもらうってことだね。
そうですね、自分の口でその場でわざわざは言わないけど、こうやって水を向ける形で書いてあると伝えやすいですよね。
とまあそういった感じで聞いているね。細かいところを年に数回は更新しているからすでにバージョン30くらいじゃないかな。
よりよい情報を集め、施術や経営に役立てるというわけだね。でもね、まだこの問診票に関してで話してないことがあるね。
あれですね、あの問診票の一番下にある、例のやつですね。
そうそう、それそれ、問診にはなんら関係ないんだけど、問診票の一番下に書いてもらう欄があるやつ。実はとっても重要で、恐ろしいほど効果がある。
アンケートのことですよね。
そうだ。うちで書いてもらっている【良かったところ】と【改善したらいいところ】だね。大きくわけて2つの大きな意味がある。
2つの。。
うん。1つは【良かったところ】【改善したらいいところ】をホームページで公開して安心を得るってことだね。
もちろん【改善したらいいところ】にはどのように対応するのかをきちんとコメントするんだ。そうすることで、【こんないいところがある】【こうやって至らない点があったら改善している】ということがわかってもらえるね。
公平感ありますね。
もう1つは、このお店をより良いところに改善していくヒントが山のように出てくることだよ。
改善につなげるんですね。よく伊澤さんから聞きますね。
そう、【改善したらいいところ】で頂いたご意見を真摯にとらえ、出来る限り改善していける、ってことさ、これもとーーーーっても大きな意味がある。
自分達ではなかなか気づけないことでも外からいらした人には気づけるんだよね、で、その空いた穴を1つずつ塞いでいけばどんどんより良い場所になる。
積み重ねですね。
そう。でも、もちろん塞げない穴はあるかもしれない、でも次の店を考えたりするときのヒントには十分になるしね。こういう改善のためのヒントなんか買ってでも欲しいくらいだね。すごくありがたいことだよね。
そうかあ、僕だったら【改善したらいいところ】に何か書いてあったら肩を落としちゃいそうです。
それもわかるけど、僕らに対してなんの思いも持たれない方だったら書いてもくれないと思うよ。期待してくれているから書いてくださるんだよね。
そうですね、前向きに受け止めればいいですね。
そうそう、完全なんてないんだからいつまでも教えを乞うつもりで成長させて頂こう。
そうですね。
【お叱りの言葉を師とし、お褒めの言葉を糧として】さ。
今日も長い時間ありがとうございますー!!
あ、あとね僕ののやっている伊澤塾に来たら問診票そのもの上げるからね。おいでよ無料で試せるし押し売りしないから。毎月やっているし。
なぬ。そしたら次回いきますよ。
ポイント
問診票も智恵をしぼる
問診票、という風に考えること自体が良くないかもしれません。カウンセリングシートとか、そんな名称でもいいかもしれないですね。そのほうが大きな気持ちで考えられそうです。
実際伊澤は今そうしています。できるだけ多くの情報をあまり時間をかけずに(ということはコストがかからずに、さらにそれはお客さん、患者さんの経済的負担にならないように)得ることが大事だと思います。
その情報を十二分に活用してできるだけ多くの満足を得られればお互い素晴らしいことだと思います。